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『CHAOS;HEAD NOAH』レビュー サイコサスペンスファンタジーの傑作!七海可愛すぎ!

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概要

5pb.企画、ニトロプラス発売のPC用ゲーム『CHAOS; HEAD』に追加要素を盛り込み、『CHAOS; HEAD NOAH』と名を改めてXbox 360に移植されたのが本作。引きこもり一歩手前のオタクが主人公、妄想がストーリーを変えるといった独創的な設定が印象的だ。

良点

あまりにも七海が可愛すぎる

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賞賛の言葉は「最強の妹キャラ」ではまだ足りない。「宇宙最強の妹キャラ」、それが西條七海である。七海ルートでの七海の健気さ、儚さ、可愛さに妹キャラとしての一つの頂点を見た。

捨てキャラなし!魅力的なヒロイン達(ヤンデル含む)

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キャラクター・デザインはささきむつみ氏。第一印象はさほど良くなかったのだが、ゲームをプレイ後は皆大好きになった。普段の生意気さから一転デレた時は無敵の七海、世話焼きぶりと深い優しさに心動かされる梨深、個別ルートでは弱い面を見せてくれるクールなセナ、敵にしたら怖いが、味方にしたら頼りになる梢、その言動に振り回されるのも楽しいあやせ、ヤンデレならぬただ病んでいるだけ(笑)な優愛、メインヒロインに匹敵する存在感を放つ星来。捨てキャラなしである。

中毒性が高く、完成度の高いシナリオ

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伏線が絡み合い、謎が謎を呼び、とにかく先が気になって仕方が無い。これ程までに没入度が高い読み物は滅多に無いはずである。

BGM、主題歌、キャラクターソングのクオリティが高い

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ポップなものからダークなものまで幅広く表現し、CHAOS; HEADの世界に聴き手を誘うBGMは非常に秀逸。いとうかなこさんの歌うオープニングテーマ「fake me」も素晴らしいが、なんと言っても七海(の中の人)が歌う「Love Power」が最強!!恥ずかしすぎる曲名ではあるが、七海にLove Powerな自分としては全然許せてしまうから不思議。その他にも「Trust in me」、「ちいさな声に気づいて」は文句なしのキラーチューンなので、全体的に音楽のクオリティはかなり高い。

単なる選択肢に頼らない妄想トリガー

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アドベンチャーゲームと言えば選択肢を選んで、ストーリーを分岐させるのが一般的だが、本作はポジティブかネガティブな妄想どちらかを選んで、ストーリーを分岐させるという面白い試みをしている。単なる選択肢に頼らない物語を膨らませる良い方法だと思う。

幅広いジャンルを網羅した用語辞典の搭載

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2ch用語から中二病用語、科学的用語も多く飛び出す本作では、この機能はかなりありがたかった。ちょっとした雑学の勉強にもなるかもしれない。

鬼気迫る声優の熱演

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声優は実力派ばかりで安心して聴いていられる。この手のゲームは途中からだるくなってしまって良くボタンを連打してボイスを飛ばしてしまうことも多い筆者だが、本作はシナリオの良さと声優陣のあまりの熱演ぶりに敬意を表して、最後までボイスを飛ばさなかった。画像は有名な優愛の五段活用問い詰めだ。

欠点

システム周りが非洗練

かなりのテキスト量を誇る本作だが、スキップがかなり遅め。また、セーブ、ロード画面などを開くのも遅く重い。できれば次の妄想トリガーまでスキップできる機能もほしかった。

各ヒロインのルートが短い

個別ルートに入るまでにそれなりの時間はかかるのに、個別ルート自体のボリュームはかなり少ない。おまけに個別ルートに入る為には連続で選択肢を選ばねばならないので若干面倒。

個別ルートは悲劇的な結末が多い

ネタバレを避けたいのであまり多くは語らないが、各ヒロインとのラブラブな展開を予想している人は要注意。ヒロインによっては一切の救いが無い超絶欝展開が待ち受けている。ここが普通のギャルゲーではないと言われるところの一つだろう。欝ゲーが好きな方には逆にメリットとなりうるかもしれない。

周回プレイ時には妄想トリガーは邪魔になる

初回プレイ時には新鮮味があった妄想トリガーだが、2週目以降はいちいちトリガーを引くのもめんどくさくなる。

作風的にどうしても人を選ぶ

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グロテスクな描写、ド外道な悪役の所業、気持ち悪過ぎる主人公等…。人によっては全く受け付けない可能性がある要素を多く含む。これらは本作の魅力を形成する欠かせないものなので、削るわけにもいかないのが辛いところである。

核心に迫るまである程度の我慢が必要

アドベンチャー系の宿命か。序盤から中盤に入るくらいまでは展開が若干ダレがち。

総評

筆者は今までアドベンチャーゲームというジャンル自体をさほど好きというわけではなかった。自分で動かせる部分が少ないのであれば、それこそ本やアニメを見ればいい。しかし、本作のような素晴らしいゲームも生み出されるのだからアドベンチャーは侮れない。本作の最大の魅力はやはりシナリオだろう。単純な恋愛系でもなく、ただグロいだけでもない。深いところまで彫りこまれた設定を思う存分に生かしてくるシナリオライターの手腕に脱帽するばかり。物語の主人公である西條拓巳はものすごく情けなくてかっこわるいところがポイント。もうかっこわるさが止まらない勢いだ。恐らくこの人のダメっぷりに多くの人が失望を、もしかしたら嫌悪感を抱くかもしれない。しかし、是非最終章までゲームをプレイしてみてほしい。もしかしたら世界一かっこいい主人公かもしれない程痺れる活躍をしてくれる。実は性格がヘタレで駄目すぎるのにも理由がある。その理由は是非ゲームをプレイして確かめて欲しい。一方、固有ルートはヒロインとのアマアマラブラブライフを送れるかと思ったら、涙を禁じ得ない欝展開ばかり。ありきたりな恋愛ものにしたくなかったというシナリオライターの気持ちもわかるし、殺伐としたエンディングも必要だとは思うが、やはり思い入れのあるヒロインとはハッピーな結末を迎えたいというのがファン心理。各ヒロイン一つずつはハッピーエンドがあってもよかったと思う。そして、七海ルートでの七海の可愛さは異常だった。エンディングはハッピーと言うべきかバッドと言うべきか悩む結末で、深く考えてみると切なくて泣きそうになる。それでもあのエンディングを見た瞬間に七海は筆者の中で決して忘れられないヒロインとなったのは確かだった。グロテスクな表現に耐性があって、一味違うアドベンチャーがやりたいなら手に取って損は無い作品である。

PSP版について

2010年6月24日に本作のPSP版が発売されているが、これから本作をプレイしたいという人にはPSP版をお勧めしておきたい。前述したようにXbox 360版はスキップがかなり遅く、システム周りの動作もかなり重いので、PSP版をプレイした後にXbox 360版をプレイするとあまりの快適性の違いに驚いてしまうだろう。実績解除やテレビの大画面でどうしてもプレイしたいといった理由が無ければPSP版を選んだ方が無難であると言える。

PS Vita版について

CHAOS;HEAD NOAH』、『CHAOS;HEAD らぶChu☆Chu!』の 2作品が収録されたPS Vita版である『CHAOS;HEAD DUAL』(一部、処理落ちが気になるらしい)が発売されているので、これからプレイしたい方はそちらを選ぶと良いが、PS Vitaの時代はもう終わってしまったのが辛い所。PS5辺りでまたリメイクされないものだろうか。